こんにちは!エキマエキングダム取材班の多田です!
さて、皆さんは「ホカンス」という言葉はご存じですか?韓国発祥の「バカンス」と「ホテル」を組み合わせた造語で、観光のついでに泊まる宿としてではなく、ホテルでの滞在を楽しむことを意味しています。コロナ禍の日本においても新しい休暇の過ごし方として今注目されているんですよ!

今回はエキマエホカンスにおすすめの「城町アネックス」さんをご紹介します!
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現在のオーナーである新海康介さんがインタビューに応じてくださいました!
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時代と共に歩むホテル

城町アネックスは1948年に現在の大原学園があるあたりに「丸ノ内ホテル」として創業しました。当時は日本の敗戦により、GHQの占領政策の真っ只中。GHQの方たちの地方視察に備えて福井では初⁉のスチール製ベッドのあるホテルでした。
創業者である新海さんの曽祖父は織物工業を営んでいましたが、息子(新海さんの祖父にあたる)が戦死したことをきっかけに残された女性家族だけでやっていける商売は何かと考え、ホテルの創業をされたそうです。
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手前に立つ少年が新海さんのお父様

1984年、ちょうどその頃世間はバブル前で、個人でホテルを営むことがブーム。丸ノ内ホテルの建物が老朽化してきていたということもあり、新海さんのお父様は脱サラし、現在の場所へと移転します。こうして出来上がったのがレンガ造りで三角屋根が特徴的な「アネックスホテル福井」です。
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遠くからでも一目でわかる素敵な建物です!

建物のこだわりを伺うと、
「実は、父は美的センスが全くなく、建築家さんに丸投げだったんですよ(笑)。堅牢で直線的なデザインで、お堀の雰囲気と馴染むようにという想いがあったと思うんですけど、父がここをこうした方がいいんじゃないかと意見を言うと(建築家に)激怒されたらしいです。当時はそういう時代だったんですかね(苦笑)。」
と、おもしろいエピソードを語ってくださいました。洋風のレンガ造りにはとても温かみを感じますね。
当時は、日本経済が好況なこともあり、お仕事で福井に来られるビジネスマンたちを多く迎えられました。

時が経ち、新海さんが継ぐ頃には大手ホテルチェーン店が福井にも増えていました。元々ビジネスホテルとして運営していましたが、多様性を重視される時代だからこそ個人のお客様が様々な目的で利用していただいた方が自分も経営していて楽しいし、価値があるのではないかと考え、「ホテル」というビジネスっぽい雰囲気を取り払い、2016年に個人旅行のための宿として「城町アネックス」と改名しました。
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「城町」ホテルのある二の丸、三の丸地区の総称
「アネックス」(英:annex)別荘や離れという意味

名前には、身近な地域に根付き、長期滞在できる別荘のような存在でありたいという意味が込められています。
安さや便利さを追求したビジネスホテルと違い、ゆっくり自由に滞在できるということを重視しているところがなによりも魅力的です!
近年は、個人旅行で訪れる方やデザイナー、建築家などの個人で時間を自由に使えるクリエイターの滞在が増えてきたそうです。

若いって無敵!

実は新海さんは元々福井に戻るつもりも、ホテルを継ぐ気もなく、県外で産業機械メーカーでお仕事をされていました。しかし、29歳の頃、父親からホテル事業を辞めたいとの相談を受けます。バブル崩壊の経営が厳しかった時期を乗り越えて長年続けていた家業がなくなってしまうことに寂しさを感じ、一念発起して跡を継ぐことを決めました。
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当時を振り返って、
「まだ自分は若くて、エネルギーがあったし、怖いもの知らずだったからできたんだと思います。結果的に今が楽しいので満足しているんですけど、会社員を続けていたその後のキャリアや、子育てなどへのリアリティが当時なかったので、それが全てわかってしまっていたら辞めていない可能性の方が高かったですね。今、目の前に出来ることがあって、自分がやるときっと成功するだろうなとしか考えていなかったので、辞めることに踏み切れたんでしょうね。」
このお話を聞いて、何にでも挑戦できて失敗も怖くない「若さ」って最強の武器なんだなとあらためて実感しました。

「人生なんてシミュレーション通りになんていかないし、挑戦して得られる楽しさや幸運もたくさんあるから、その一つ一つに賭けた方が楽しいじゃないですか。人生一度きりなんで。」
この新海さんの言葉はとても胸に残っています。

城町アネックスでのホカンスのしかた

さて、実際に宿泊してきたので、私的オススメのホカンスをご紹介します!
客室はこんな感じ!
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40年ほど前から使い続けている木の鏡台やサイドテーブルの味はそのままに、壁紙を張り替えるなどの改修をおこなったそうで、清潔感溢れるシックなお部屋です。
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このマークも設立当時のままです!
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各客室に飾られているアートや家具にもこだわりが感じられます。ロビーでは新海さんセレクトの本を貸し出していただけるので、このソファーに座りながらゆっくり本を読んで過ごすのもいいですね~

滞在される方はぜひ朝食付きプランでご予約ください!城町アネックスの2階には「二ノ丸グリル」というレストランが併設されていて、こちらでいただく朝食が一日の幸福度を高めてくれるんですよ。
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お堀を眺めながらいただけます。春は桜が綺麗ですよ!
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この日のメニューはミネストローネ、フレンチトースト、オレンジジュース、食後のドリンク(コーヒーor紅茶)でした。

休日は遅くまで寝てしまいがちな私ですが、少し早く起きてゆったりと美味しい朝食をいただくのはなんとも優雅で最高でした。
二ノ丸グリルさんは、ランチとディナーの営業もされていて、レストランだけの利用も大変人気なので予約をおすすめします!

美味しいご飯を食べて、お部屋でゆっくりできて、いつもと違う場所で過ごすだけでかなり気分もリフレッシュしました。私もホカンスにハマりそうな予感がします...‼

職住一体のまちを目指して

最後に新海さんにエキマエへの想いや期待を伺ってみました。
「うちは客室を改造してホテル内に住居を作っているんですよ。家族経営の魅力っていうのは、うちだけじゃなくて、まち単位で集まることで感じることができると思うんですよ。最近は、職住一体の商店が集まったエリアが減ってきたと感じていて、生活と商売が共存することで常に賑わっているまちっていうのがいいですよね。」
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職住一体という考え方を知り、城町アネックスから城町エリアへ、そしてエキマエ全体に広がって多くの方が行き交う活気のあるまちになればいいなと感じました。

タダの余談ですが...

城町アネックスに新しくオープンテラスができました!
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元々稼働していなかった2段式駐車場のあった場所を、地域の賑わいのために多くの方々に使っていただけるような場所にしたいと思い改装されたそうです。
城址が見える風景やレンガブロックから差し込む光を大切が素敵で、2021年度グッドデザイン賞を受賞されています。落語会や演奏会、映画鑑賞などが開催されているそうなので、こちらにもぜひ参加してみたいですね!

福井県民で「ワクチン・検査パッケージ」の適用を受ける方を対象に県内でお得に宿泊できる「ふくいdeお得キャンペーン」が令和4年10月31日(月)まで延長されました!(※令和4年8月末の情報です。)
お得にホカンスできるこの機会をお見逃しなく‼

【店舗情報】
住   所:福井市大手2-18-1
ホテルTEL:0776-23-2003
レストランTEL:0776-27-7522
  (ご予約・お問い合わせについては受付時間(8:00~22:00)内にお願いします。)