お久しぶりです。オオクサです。
気づいたらもう年末です。

寒い季節に楽しみたくなるのが、日本酒の熱燗。
熱燗にするとアルコール分が少し飛んでどんどん飲めてしまって、あっという間にほろ酔い気分になれて好きです。

さて今日ご紹介するのは、浜町の一角でお酒の販売をされている「浜町安文酒店」さんです。

浜町安文酒店ってどんなお店?


浜町安文酒店さんは、料亭やホテルが多く軒を連ねている浜町エリアにある酒屋さん。
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店内の様子はこちら。
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日本酒が多く並べられているほか、大きなテーブルもあります。
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卸売りをメインとしていますが、小売りも行っています。

配達が8割~9割、店頭販売が1割程度。立地を活かして、浜町や福井駅前など福井県内の飲食店に卸すことがやはり多いようです。また割合としては少ないものの、県外のお店にも福井の地酒を出しているとのこと。

お酒の売れ筋は、日本酒と思いきや、ワインも同じくらい売れているとか。そのほか、焼酎、ジュース(ノンアル)、醤油、みりん、サラダ油など、飲み屋さんが使いそうなものは何でも置いてあるということでした。

オーナーさん紹介

さていよいよ、オーナーの方をご紹介!代表の末定 伸(すえさだ・のぼる)さんです。
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酒屋の三男として生まれた末定さん。福井県内の大学に進学し、学生時代からこちらの本店と、某スーパーの中に入っていたもう一つの店舗でも手伝っていたそうです。

「スーパーの中に酒屋が出てきたのは、県内ではおそらく初めてでした。大学の授業が終わってから、夜10時までお店立ってましたね」

大学卒業後は、京都の酒屋で1年ほど修行。25歳の時に福井に戻ってきて家業に入りました。

「兄が二人いますが、二人は福井を離れてしまい継がなかったんです。ただ、自分としては100年近くやってた店を終わらせてもいいのだろうか?という思いもありました。父親もお客さんにすごく慕われていたのを見ていましたし。」

以来、今日までにわたりお店の仕入れや販売、配送などひととおりの業務をお母さまと一緒に行われています。

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ちなみに、末定さんはあまりお酒が飲めないそうで、「仕入れの時はどうやってお酒を選ぶのですか」とお聞きすると、

「味見してすぐ出すので問題ないです。それに、コロナ禍前は年に3.4回は展示会に行って仕入れをしていました。お酒を通していろんな人に出会えるのが楽しいです。」とお話くださいました。

お店の歴史

お店の創業は大正8年。およそ100年になります!

安文という屋号は、福井市の安田村にいらっしゃった「末定文左衛門」さんという方のお名前から、「安」と「文」という文字を取ったところに由来します。末定さんいわく、「末定さんという名字の方はおそらく全部親戚だと思います。」とのこと。安田村にいた末定一族が福井の街中に商売しに出てきた際、商売するときは「安文」という屋号を使うことになっていたそうです。

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浜町安文酒店ではお酒の販売を始めましたが、たばこや織物の販売をしていた親戚もいました。末定一族はやり手ですね!ちなみに、福井ではお酒の量販店としてもおなじみの「ヤスブン」さんも親戚だそうです。

~仕事の流儀~

卸売り・小売店として、製造の蔵元さんと飲食店や一般のお客様をつなぐ末定さん。どういったことを意識してご商売されているのでしょうか。

「今はメディアを使って積極的に仕掛けていくのが流行りです。(流通の)真ん中にいる小売りの人が『これが安いから』とか、『売りやすいから』という理由で、売れるものが固定化してしまっている現状があります。ですが、世の中にこんなに一生懸命お酒作っている人がいるのに、同じものしか売れていないのはおかしいと思っています。自らの体で確かめて良いと思ったものを販売しています。」

また、仕入れについてもこだわりが。

「仕入れの際、良いこともネガティブなことも正直に言います。『美味しいけど人を選ぶ』とか、『年によって味が違う』とか『高い』とか。そういうやり取りができない業者の方との取引は難しいなと思います。まあ結局のところ、お客さんが飲んで美味しかったらそれでいいじゃん!と思いますけど(笑)」

さらに、意外と需要があるというノンアルコールジュースの仕入れにも自信があります。「飲み屋さんから、お客さんがノンアルでも満足できるジュースを卸してくれないかという相談を受けることが多くありました。私自身もお酒に強くないからこそ、オーガニックのレモネードやジンジャーエールなど、ジュースでも高級感やこだわりが感じられるものを探して提供しています。」とのことでした。

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体験イベントを通して

浜町安文酒店さんでは、日本酒の飲み比べイベントも行っています。

「ワインはいくらでも味見できて、そのうえで好きなものをちゃんと買ってもらうという慣習がありますが、日本ではあまりないことです。私は、味も分からないのにラベルだけみて買ってもらうのはおかしいと思っていて、納得して買ってもらうために始めました。」と末定さん。

定期的にやっているイベントでは、日本酒、ワインなどテーマを設けながら開催しているそうで、根強いファンがいらっしゃるとか。

実は私も、以前日本酒飲み比べプランに参加したこともあります。
7種類の地酒を1650円(税込)で飲み比べできるという、とてもお得なプラン!!
この飲み比べイベントは体験型観光として商品化されており、「ふくのね」というサイトでも紹介していますので、是非お試しいただければと思います。
https://www.fukunone.online/plan/detail.php?id=29


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        夜も雰囲気があって素敵です。

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        ずらっと並べられた地酒たち

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      (令和2年10月に参加した際の様子)

末定さんが蔵元やお酒の特徴を説明しながら注いでくださいます。バンバン注いでくださるので、びっくりしました(笑)おつまみを出すとお客さんが長居してしまうので、アテはなし。お酒とチェイサーを交互に飲んで、ほろ酔い気分でその日は帰宅しました。

福井駅前に対して

およそ100年前から福井駅前で店を構えてきた浜町安文酒店さん。3代目の末定さんは福井駅前に対してどんな思いを持っているのか伺いました。

「僕はこだわりがあるからこそ、駅前にいると思っています。安く大量に売るということであれば、郊外に行ったほうがいいです。土地も郊外の方が安いし、郊外であれば大きい倉庫と駐車場が確保できますから。大きくしようとすると、駅前にいる必要もなくなってきます。」

なるほど…「こだわり」についてもう少し教えてください!

「その人(オーナー)がいいと思う商品とか価値観を売るしかなくて。それを求めている人も結構いると思うし、そういうのを提供できる場になった方がいいと思いますね。全体的なニーズにちょっと合っていなくても、買う人が喜べばいいじゃないですか」と笑っていました。

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ちなみに、コロナ禍の影響についてお聞きすると「コロナの影響はひどいです。特に浜町は大変。接待・歓送迎会がなくなってしまっていますから。お宅も大変やろということで、個人のお客様で心配して買いに来てくれる人もいます。」とお話くださいました。

オオクサの独り言

「個性があるからこそ、こだわりがあるからこそ、駅前でお店をやっている」という力強い言葉がとても印象的でした。

実際、エキマエkingdomの趣旨も「福井駅前の個性的で、こだわりのあるオーナーさんにスポットライトを当てる」というところにあり、まさしくそれに重なるなと感じました。

郊外のお店も良いですが、末定さんとおしゃべりしながらおすすめを購入するのも楽しいので、是非お店に足を運んでみてくださいね!

【店舗情報】

住  所:福井市中央3丁目3-15
定  休  日:日曜日・祝日
営業時間:10:00~19:00
電話番号:0776-21-4632
H    P:https://hamamachiya.thebase.in/about
facebook: https://www.facebook.com/%E6%B5%9C%E7%94%BA%E5%AE%89%E6%96%87%E9%85%92%E5%BA%97-132163003623990/